なんて言ったんだろう
「うー、頭痛いよ〜」
「だから言ったでしょ、無理するなって。言う事聞かないから
こうなんの!」
「だってさぁ…」
「ハイハイ。ちゃんと面倒みてあげるから、今は治すことだけ
考えなさい。わかった?」
いっつもこう。少しでも具合悪そうにしていると、まるで
お母さんみたいな言い方で、大人しくさせられる。
「…はーぃ」
渋々、そう返事して目をつぶった。
ほんの数分前まで一人で苦しんでいたのに、今は近くに居て
くれる。それだけで、暖かく心地よい空気に包まれている。
すっかり眠っていたみたい。熱も引いていた。
起き上がるとテーブルの上にメモがあった。
『ごめ〜ん、仕事あるから行くね。冷蔵庫に美味しいアイス
買っておいたよ。全部食べて良いからね。
それから、お礼は起きている時に言うこと。
寝言で言われても困るんだからさ。』
そんなこと書かれたら、気になって眠れなくなるって!